まな板が汚れる原因は、主に二つ。
「汚れた状態の放置」
と
「包丁のキズによるもの」
①汚れた状態の放置
まな板の表面に長時間汚れが付着している状態が続くと、素材を構成する物質の間に、食材から出た色素を含んだ成分が入り込んでしまいます。
そうなると、表面を洗っても簡単には汚れが取れなくなってしまいます。
また、汚れ成分が侵入した状態を長く放置すると、黒カビなどの原因となります。
②包丁キズによるもの
まな板の宿命ですが、表面には包丁のキズがつきます。
包丁キズには、汚れが付着しやすく、また除去しにくい。
なので、使用後には直ちに洗うようにして、できるだけ汚れが残らない状態にすることが大事です。
お手入れ方法
①頻繁に洗う
長時間まな板を使用する場合は、少なくとも2時間に1回は、まな板を洗うことをお勧めします。
これは一般的に、まな板に付着した雑菌は、2時間を経過する辺りから急激に増殖するといわれているから。
一般家庭の場合、2時間以上調理し続けることはあまりないですが、使用後は放置せず、すぐに洗うようにしましょう。
中性洗剤(20倍希釈の伊都の国洗剤hinataなど)を用い、十分な流水(できれば温水)で流して下さい。
②酸素系漂白剤を使用
定期的な漂白は効果大ですが、以下の内容に注意が必要です。
・正しく希釈
とにかく、正しく希釈すること
全体を浸けるのが理想ですが、槽が小さければ半分づつひっくり返して浸けても十分効果があるので、正しく希釈して漂白するようにしましょう。
・漂白時間や頻度に気をつける
漂白液に浸ける時間は30分~60分で十分です。
しっかり漂白したいからと一晩中浸けっ放しにする方もいますが、漂白成分を洗い流すときに落ちにくくなるのでお勧めできません。
洗い落としても、漂白剤の臭いが消えない原因になります。
・漂白前後に中性洗剤で洗う
漂白前と漂白後には、中性洗剤(20倍希釈の伊都の国洗剤hinataなど)で洗いましょう。
漂白は、洗っても落とせない汚れを落とすためのお手入れ方法なので、前もって落とせる汚れを落としておくことで、効果が上がります。
また漂白後は、流水で流すだけだと、漂白剤のにおいが残ることがあるので、しっかりと中性洗剤で洗うことが望ましいです。
落ちない油汚れには
肉や揚げ物など脂っこい食材を切った後は、まな板は油で汚れてしまいます。
中性洗剤で落ちる場合はいいですが、しつこい油汚れとなるとなかなか落とせない場合があります。
そのような時には、重曹などのアルカリ性(弱アルカリ性)洗剤が有効。
油成分は酸性なので、アルカリ性洗剤を使うと油が中和されるので落としやすくなります。
熱殺菌の実施
まな板には、どうしても表面に多数のキズが入るので、表面をいくら洗浄・漂白しても、キズの奥底の雑菌は除去できていない可能性があります。
従って、熱による殺菌(熱殺菌)が非常に有効です。
飲食業に携わるプロにとっては、確実な殺菌が重要なのは言うまでもありません。
より衛生に気を遣っている方は、ぜひ熱殺菌も行ってみてください。
ただし、「熱湯をかければ、消毒になるだろう」と考えるのは大きな間違い!
肉や魚などのたんぱく質は、60℃以上のお湯で固まる性質があります。
そのため、たんぱく質の汚れがまな板のキズの中に入り込み、腐敗して雑菌を繁殖させるのです。
まな板を熱殺菌するときは、熱湯でなく必ずぬるま湯を使いましょう。